八ヶ岳・”建物訪問”に行ってきました その5
こんにちは。
前回はY邸の敷地のこと、外空間(半野外)で過ごしたことを記載しました。
今回は、この家の室内について書いてみます。
ポイント①:大きな居室空間
NOGは若いころから住宅に、「中心となる大きな空間」を設えるよう意識してきたそうです。
これは小住宅や、今回のようなセカンドハウスでも同様です。
この家に関して言えば、玄関から庭に抜ける通路に面し”ワンルーム的”な空間が広がっています。
そしてこの空間には、コアのように配置された水廻りがあります。
この水廻りが、LDK(パブリックspace)と寝室(プライベートspacre)を、ゆるやかに隔て⇔ゆるやかに連続させています。
空間は大らかで、家全体を感じられる。
細かく仕切り過ぎない魅力も利点も、心地よさの体感でわかりますね。
ポイント②:快適な温熱環境のために
八ヶ岳は夏は涼しく快適ですが、冬の寒さが厳しい場所。
ワンルーム的なこの住宅には最適な「外断熱」として、既成の断熱パネルを使用し、室内側の合板をそのまま室内の仕上げ材としている。
つまり、内壁用に仕上材はなくても外壁として成り立っています。
また、今回は夏に伺ったため未使用でしたが、「断熱戸」はこの家の特徴でもあります。
これは、開口部(ペアガラスです)からの冷気を遮断する為に、サッシの内側はスライド式に断熱戸を設えています。
GOU設計は、都会から田舎暮らしをする住み手には、都会と同様の性能が必要だと考えています。
そのためセカンドハウスの室内環境は、設計時によくよく注意しているようです。
③開放感のある開口部
セカンドハウスにおいて、景観というのは殊に重要です。
普段住む場所から「その為にわざわざ行く場所」がセカンドハウス。
外の気持ち良い景色をどうしたら室内に取り入れられるか、設計はそのための工夫を相当しています。
この家であれば、天井を平らにして天井ギリギリまで開口部をとっている。
そうすることで開放感が増し、景色をキレイに切り取ることができています。
また前述の水廻り部分をわざわざコアにした理由のひとつは、開口部を水平に連続させていることにあります。
庭が室内と連続し、LDKは実際の面積以上に広く感じます。
ちなみに。
Yさんは多趣味で電気や音響関係も得意です。
室内は程よく金属のものがあり、「住み手の日用品というインテリア」を含めて、天然素材と人工的なものが織り交ざり、
Y邸らしさがあるように感じました。
また特に離れ、ガレージ棟は車やバイクを置くだけでなく、趣味の場所。
工具から無線関係に至るまで、生活も仕事も全力で愉しむYさんのための特別な場所です。
自由に使える自分だけの場があることは羨ましい限り。
大人になっても憧れる人の多い、秘密基地みたいなものじゃないでしょうか。
GOU設計・S