八ヶ岳・”建物訪問”に行ってきました その3
八ヶ岳の建物探訪2軒目はこちら。
ランドスケープデザイナーのNさん宅に立ち寄らせていただきました。
所長NOGとは古くからお付き合いがあるようで、私にとって貴重な機会を頂戴しちゃいました!
この場を借りて、改めてお礼を申し上げます。ありがとうございました????
ちなみにNOGは地理に強く、細かな手描き案内図と共に出発したのですが、
今回は周りが変わっていたせいか?迷って到着が遅れました・・・。
(たまにNOGはブラタモリならぬ「ブラノグチ的街案内」をしてくださいますが、その話は改めて。)
敷地は森の中のような緑いっぱいの場所。
素敵なお庭の中に写真の小屋、現在アトリエとして使用している建物、お住まいがそれぞれ
” いい距離感 ”で緑に馴染んでいました。
(*お住まいやアトリエは公開されていないので、ここでの写真掲載は控えています。)
ところで私は敷地内に小さな、或いは威張ったサイズでない建物が、向かい合ったり/ズレたり/点在
したりする感じに魅力を覚えます。この空間は正にそんな場でした。
敷地やその周辺も絡めた、空間全体の配置がお仕事のランドスケープデザイナーの方だから当然のことなのでしょう。
今の私ではなかなか気づけない、深い考えでなされた沢山のことがあるだろうと思います。
こういう時は必死で(笑)目????を皿のようにして、どこをどう考えて設計されたのか、
宝探し????のようなことをしたくなってしまいます。
けれどそればかりやり過ぎると、この居心地の良さはどこからやってくるのか、その場の空間体験
のようなものが薄れる気がしています。
それに加え今回は短時間、観光地やギャラリーでなはなくご自宅ですし、ほどほどにして
この場を味わうことを中心に心がけました。
以前から本で素敵だな~と眺めていた場所だけに、その空気を味わえるのは住宅好きとしては
なんともうれしい特別な時間です。
写真は小屋の室内。小屋はとても小さいながら、内に入ると必要十分。ソローの森の生活を彷彿とさせます。
外と内が一貫して同じ雰囲気で、室内からの緑の眺めといい、都会とは全く別世界。
デザインに精通された方ならではの、簡素ながら機能的で美しいものたちと共に、この小屋からお住まいまでご案内いただきました。
お住まいもご自身で設計されていて、とてもシンプルなプラン。
機能的で空気の澄んだ気持ち良い場でした。
きっと生活とお仕事が結びついていて、長い間ブレないNさんの哲学が経験の中で培われ、
ライフスタイルになっていらっしゃるんだろうなと想像されます。
ひとつひとつ選んできた家具や生活道具、室礼 ~ 奥様との音楽などに至るまでこぼれ話も興味深く、
もっと聞いていたかったです。
この敷地でしばし時間を過ごした中でわたしにとって一番印象的だったのは、
静けさ、stillnessのようなものを感じていたことです。
「しずか」というと多くのひとは興味がないかもしれませんが、とても大切なことだと認識しています。
というのは、そもそも自分が特別に家に惹かれるヒントはここにあると思うからで、
多くの人が家に安心感や癒しをもらう理由もそこだと思っているからです。
そして私の経験上、本当のしずけさはあたたかいもの、幸せそのもの。
「ここは、あたたかな静けさを感じます。」とそのまんま私が言葉にした際、
Nさんは「そういうものを大切にしているんです。」というニュアンスの、頷かれる” 感じ “の言葉がありました。
素敵なご家族、素朴ながらも美しい暮らしに触れるひと時でした。
GOU設計・S